解決 事例12

退職勧奨拒んだら配転

[相談内容]
 Kさんは、コンピューターのSEとして、病院などの大型(汎用)コンピューター(CP)の保守・管理をしていました。2年前、「あなたの仕事はもうない。退職届を出すように」と言われ、拒否すると大阪から東京に単身赴任を命じられ、賃金を7万5千円も下げられました。生活できるように賃金を回復し、病弱な妻のいる大阪に戻してほしい。 [活動と解決]
 Kさんは、大阪労連の紹介でJMITUに労働相談に見えられ、会社が東京北部にあるので、北部地域支部が担当しました。知人のいない単身赴任と大幅賃金ダウンで生活困難になり、意気消沈の状況でした。賃金回復・大阪に戻せ・仕事の保障などの「要求書」と「組合加入通知書」を持って会社を訪ね、交渉を始めました。  交渉から分かってきたことは、この会社は、大型コンピューターを中心とする「汎用系」からパソコンをネットワークでつなぐ「オープン系」の開発専門へ業務転換を図りました。その過程で、不要となった「汎用系」技術者を次々と退職に追い込んで行ったのです。 Kさんは、「退職勧奨に応じられない」と拒否の意思を明確にしたところ、「退職強要」のイヤガラセを受けてきました。
 組合との交渉で、賃金ダウン額の80%を回復させました。Kさんの要求であった、汎用系SEとしての能力再評価とオープン系SEの研修教育・訓練を半年間に渡り実施しすることを会社に約束させました。「能力再評価」には組合推薦の評価者(I支部OBのA氏)も加わり、実施しました。
 残念ながら、会社の求める「オープン系」SEのレベルに達しない評価結果となり、「退職」を前提とした交渉に移行せざるを得ませんでした。賃金の6ヶ月分の生活保障(退職金)・大阪営業所に戻って退職(会社都合)などで合意し、11ヶ月のたたかいを終結しました。この間、交渉だけでなく、東京都労働委員会あっせんやKさんも参加して会社近くの駅頭未組織宣伝を3回、行いました。  北部地域支部は、SE技術者の労働相談は初めてでしたが、技術進歩のはやいコンピューター業界で働くSE労働者の厳しさを再認識させられました。
 支部は、Kさんの希望にそった再就職先が、早く決まることを願っています。


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