解決 事例8

賃金未払いのまま解雇

[相談内容]
 Oさん(40代男性)は、常盤台駅(東武東上線)でJMITU北部地域支部が配布していた労働相談のビラを受取りました。お惣菜製造・販売会社は倒産寸前でした。工場・店舗を次々に閉鎖し、Oさんは100万円以上の賃金未払いのまま、解雇されました。
[活動と解決]
 Oさんとの話で、解雇された人は工場・店舗のあった東京・神奈川・大阪などに点在し、賃金未払の人が大勢いることが分かりました。Oさんが連絡の取れる解雇者に呼びかけ、13名でインシーズン分会(内、大阪在住2名)を結成しました。  最後に残った新横浜の工場(本社)に出向き、会社に総額1000万円の未払賃金の要求書を提出しました。労働基準監督署に相談に行くと、「倒産」していないので「賃金確保法」の適用も受けられないと言うことでした。  組合は、社長と交渉を2度行いました。社長はベンチャービジネスで成功させ、株式を「上場」するというふれ込みで、投資事業組合やベンチャーキャピタルから集めた約30億円の資金を浪費し尽くしたことが判明しました。
 組合は、「賃金確保法」の適用以外に、労働者の未払賃金を確保することはできないと判断しました。丸の内や兜町ある投資組合やキャピタル(大手銀行の子会社)12社を専従執行委員が分担して訪ね、問題解決の協力を要請しました。また、新横浜の工場周辺の宣伝行動、社長や役員宅の訪問も行いました。その結果、6月に会社・社長・役員の「自己破産」を東京地裁に出し、ただちに「破産」決定が出て管財人が選ばれました。
 分会組合員と役員は管財人弁護士事務所を訪ね、13名一括して「賃確法」による国の立替払いの申請書類作成を早期に行うよう交渉しました。8月、管財人は「未払賃金の立替払請求書」を独立行政法人・労働者健康福祉機構に送付しました。
 13名それぞれの銀行口座に1ヶ月半後、未払賃金額の約80%(総額700万円)が振り込まれました。Oさんが2月にJMITUの労働相談ビラを受取って、7ヶ月後の解決でした。13名全員から後日、組合に「解決カンパ」が振り込まれてきました。


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